田代 尚路 (たしろ なおみち)
プロフィール
19世紀イギリスの詩が専門です。特に関心をもっているのは、ロマン派以降の詩における話者(作品内の「私」)の立ち位置です。それに関連して、詩にみられる風景描写の問題にも取り組んでいます。アルフレッド・テニスンの詩に対する思い入れが強いですが、テニスンを中心とした詩人のネットワークを作るような感覚で、ジョン・キーツ、エミリ・ブロンテ、エリザベス・バレット・ブラウニングなどにも興味関心を広げつつあります。
主な著書・論文
- (共訳)ピーター・バリー著『文学理論講義ー新しいスタンダード』ミネルヴァ書房、2015年。
- (共訳)『ブロンテ姉妹』集英社文庫ヘリテージシリーズ、2016年。
- (論文)“‘The Sad Mechanic Exercise’ of the In Memoriam Stanza” 『リーディング』第26号、2005年。
- (論文)「変転する風景ーテニスン「イノーニー」『大妻レヴュー』第48号、2015年。
- (その他)「ヘレニストの条件ーキーツの場合」『現代詩手帖』2016年9月号。
担当科目
- 英文学入門1、2
- 英文学(特論)
- 英文学(近代)
- 英文講読(基礎)1、2
- 英文講読(発展)1、2
- 英語ⅠC、ⅠD
- セミナー1、2、3、4
- 卒業論文
ゼミの紹介
教員から
ゼミでは、主に19世紀の小説を読んでいます。2017年度はエミリ・ブロンテの『嵐が丘』、2018年度はジェイン・オースティンの『高慢と偏見』に取り組みました。基本的には、小説を原文で丁寧に読み、担当学生の発表を聞いてから皆で意見交換をするというかたちで毎回の授業を進めていますが、そこに英詩を専門とする担当教員ならではの味つけを加え、『嵐が丘』の際はエミリ・ブロンテの詩を、『高慢と偏見』の際にはコヴェントリ・パトモアの『家庭の天使』という詩をぶつけてみて、皆の反応を楽しみました。
2019年度はオスカー・ワイルドの小説・童話・戯曲・詩を扱っています。まず童話(「幸福の王子」など)から読み始めましたが、ワイルドにとって「愛」とは何か、「友情」とは何かなど、議論が盛り上がっています。
ゼミでは4年次に卒業論文を仕上げることになりますが、論文のテーマを決める前に、なるべくさまざまな作品に触れてもらいたいです。ゼミでの作品読解がその一助になればと願っています。
学生から
<かつてゼミで詩を中心に読んでいた時代の学生たちからのメッセージです>
- 普段の授業では触れることの少ない「詩」を扱うゼミです。詩と聞くと身構えてしまう人も多いと思いますが、詩にも様々なジャンルがあり、意外と楽しめます。
- このゼミでは主に英米詩を扱い、作者・作品について調べてきたことを発表したり、クラス全体で詩を読み、内容の確認・把握を行ったりしています。先生が一方的に授業を進めるのではなく、学生と先生が一丸となって取り組むことができるゼミです。雰囲気ものびのびしているので、参加しやすいゼミだと思います。
過去の卒論タイトル
- 『嵐が丘』についての心理学的アプローチ
- 「幸福な王子」における幸福
- 『フランケンシュタイン』と怪物たち
- 『サロメ』におけるファム・ファタール研究
- 『ピーター・ラビット』における動物と風景