大妻女子大学 草稿・テキスト研究所

資料紹介

大妻女子大学図書館所蔵 日本文学・国文学貴重資料

8.月映(つくはえ)

※藤森静雄版画(自然と人生・月映Ⅰ(1914.9)より)

版画、詩雑誌。大正3(1914)年9月~4(1915)年11月恩地孝四郎、田中恭吉、藤森静雄が同人。自刻木版画と詩のコラボレーションとも言える、すべて手作りの製本。田中は創刊直前に病んで郷里和歌山に臥し、大正4年8月病没するので運営はほかの二者による。彼らと親しい萩原朔太郎、室生犀星に通う人生派的象徴主義の傾向がみられる。

※詩(恩地孝四郎、月映Ⅵ(1915.3)より)
※月映Ⅳ「死によりて挙げらるる生」貼付斎藤昌三蔵書票

斎藤昌三は明治20(1887)年3月19日生。昭和36(1961)年11月26日没。書物研究家で、未鳴、桃哉、少雨叟(荘)などと称した。頑愚洞可山(加山道之助)の援助で趣味詩「おいら」「いもづる」を刊行し、明治の書物への愛着と知見を深める。石川巌、神代種亮とならんで明治もの書痴の「三尊」のとくに「第一」と木村毅が保証するほどの先達となった。(『日本近代文学大事典』講談社、による)

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