金 ヨンロン(きむ よんろん)
プロフィール
日本近現代文学と歴史の関係について研究しています。特に、戦争、法体制、震災、パンデミックなど、文学の表現や読みに大きく影響を及ぼすような状況に関心をもっています。これまでの授業では、戦争文学(近代から現代まで)、戦後文学、震災後文学、法と文学、病と文学など、様々なテーマを扱ってきました。今後、比較文学や世界文学の方法について勉強し、授業でも活かしていきたいと思います。
主な著書・論文
- 『小説と「歴史的時間」 : 井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』(世織書房、2018年)
- 『「言論統制」の近代を問いなおす : 検閲が文学と出版にもたらしたもの』(共編著、花鳥社、2019年)
- 「法と文法 : 井上ひさし『夢の痂(かさぶた)』を中心に (特集 井上ひさし) 」(『社会文学』、2018年8月)
- 「戦争裁判が甦る契機 : 木下順二『神と人とのあいだ』を手掛かりに」(『日本文学研究ジャーナル』、2019年3月)
- 「水と3・11 : 連鎖する読み、その接続可能性をめぐって」(分担執筆、木村朗子、アンヌ・バヤール=坂井編『世界文学としての〈震災後文学〉』、明石書店、2021年)
ゼミの紹介
教員から
ゼミ生が選ぶ作家や作品、時代、テーマは様々ですが、個々の作品と真摯に向き合う態度には共通しているところがあります。
卒論ゼミの進め方を簡単に説明しましょう。卒論のテクストが一旦決まると、ゼミの皆がテクストを丁寧に読み、細部について話し合います。一人で読んでいた時には気づかなかったことを、他の学生に教えてもらいます。たまには、テクストの読みをめぐって、異なる意見をぶつけ合うこともあります。テクストとの向き合い方は、他者とのかかわり方でもありますので、当然起こることです。こうした議論を通して自分の問題意識を明確にし、表現を見つける過程を経て、卒論を完成していきます。このプロセスを思い切り楽しみましょう。
学生から
- 漱石や芥川といった明治・大正時代の文豪から現代のファンタジー作品まで、幅広く近現代文学を勉強しています。
- とても温かい雰囲気で授業が進んでいて、いろんな感性をもつゼミ生の意見や文学論を聞くことができるため、日々とても刺激を受けています。自分で進んで読むことがないジャンルの作品にも触れられるため、勉強にもなり楽しいです!
- 温かいながらもきっちりとしたゼミなので、卒論を書くための熱意が焚きつけられるゼミです。方向性に迷っている、卒論へのモチベーションがなかなか上がらない、そんな方にこそおすすめできるゼミです。発表に対して3、4年生で議論し、行き詰まると先生からその時代に対する背景の説明やヒントがあり、自分の研究分野でなくても学びや発見があります。
- 自主性を重んじるゼミだと感じます。先生だけでなく学生も意見交換できる活発なゼミです。
- おだやかで真面目な人が多いイメージ、個性豊か。