大島 範子(おおしま のりこ)
プロフィール
17世紀のイギリスで書かれた詩と演劇を専門に扱っています。17世紀は、イングランド内戦(ピューリタン革命)と呼ばれる、イギリス史上前例のない事件が起こった世紀です。この、国王と議会が反目しあい、最終的に議会が国王を裁判にかけて処刑する、という非常にショッキングな事件は、しかし同時に、イギリスが絶対王政から立憲君主制へと移行する流れを作った、歴史上非常に重要な出来事でもあります。
私はそのような、前例がなく、したがって先を見通すことも出来ない不安定な状況で書かれた文学が、いかに恐ろしい体験と向きあうか、ということに関心を持っています。主にジョン・ミルトンや、アンドリュー・マーヴェル、ウィリアム・ダヴェナントなどを研究対象としています。
主な著書・論文
- (論文)「劇場閉鎖と教育的エンターテインメント―護国卿時代におけるウィリアム・ダヴェナントの自己保存」『十七世紀英文学を歴史的に読む』(『17世紀英文学研究』第17号)、2015年
- (論文)「貞淑な妻の申し開き――ダヴェナントの『ロードス島攻囲』(1656)における、捕囚と変節」『Shakespeare Journal』第4号、2018年
担当科目
- 英文学入門1・2
- 基礎セミナー1・2
- 英文講読(基礎)1・2
- 英文学(近代)
- 英文学(特論)
- イギリス的風景
- イギリスの階級と伝統
- セミナー1、2、3、4
ゼミの紹介
教員から
16~17世紀のイギリス文学の作品を主に取り扱っています。セミナーでは特に、
- ①短めの英詩(ミルトンやマーヴェル、加えてシェイクスピアやダンなど)を、英語の文法に特に注意を払いながら原文で読み、英語力を身に着ける
- ②長めの詩や演劇(ミルトンやシェイクスピアなど)を、書いてあることに関して自分なりの考察を深めながら翻訳で読む
ということを目標としています。
文学作品は、読者がいなければ社会に存在しえないものだと思います。英語と日本語、両方について読解力を高めながら、目の前のテクストを、丁寧に、そして時には挑戦的に読む、という経験をしていきましょう。そのような読解を踏まえて、内容についてゼミでディスカッションをすることは、自分はどういうテーマに興味があるのか、ということへの理解にもつながると思います。