日本文学科

天野 みどり

天野 みどり (あまの みどり)

プロフィール

日本語学が専門分野です。世界の言語は6000種類とも7000種類とも言われていますが、その中の1つである日本語を観察し、どのようなしくみによって複雑な意味を生み出したり解釈したりすることが可能となっているのかを明らかにしようとしています。その際、日本語だけに視野を狭めず他言語と比べることも重視し、人間言語の普遍性と日本語の個別性の問題も意識するよう心がけています。身近な現代日本語が主たる研究対象ですが、授業では様々な時代の文献資料を用いて、日本語の歴史を理解することもおこなっています。

主な著書・論文

  • 『構文の意味と拡がり』(くろしお出版 2017年11月)
  • 『日本語構文の意味と類推拡張』(笠間書院 2011年10月)
  • 『文の理解と意味の創造』(笠間書院 2002年12月)
  • 「接続助詞的な「のが」の節の文」『日本語複文構文の研究』(共著 ひつじ書房 2014年1月)
  • 「サマ主格変遷構文の意味と類推拡張-「のが」型の主要部内在型関係節文と接続助詞的な「のが」文」『和光大学表現学部紀要』(14号 和光大学表現学部 2014年3月)

担当科目 (シラバスを参照してください)

  • 全学共通科目
  • 日本文学科日本語学関係科目など
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ゼミの紹介

教員から

天野 みどり言語学は「ことば」そのものを観察し、そこに潜む規則性やしくみを明らかにしていく学問です。学生の皆さんは、日常会話であれ小説のことばであれ、私たちが生きていく上で切り離すことのできない具体的なことばそのものを観察し、どのような意味がどのようにして生み出され理解されるかを考えていくことになります。ことばは流動的な社会・文化、人間の思考・心と関わり、現代語といえども柔軟な変化・変容を含んで常に揺れ動いているものです。さらに昔のことばを観察すれば、言語のダイナミックな部分、そしてその反対に決して変わらない普遍的な部分があることを発見することもできるでしょう。

ことばのしくみは人間がコミュニケーションをするために共同で創りあげてきたものです。ことばの研究により、現代を生きる皆さんのコミュニケーション活動に資する知見を得るだけでなく、そのようなしくみを創りだした人間とはどのようなものなのかということ、つまり皆さん自身を深く理解することにもつながっていくと思います。

学生から

  • 毎週のゼミの時間を通して、日本語という漠然とした大きいカテゴリーの中で、さまざまなテーマをもとに、仲間と一緒に考える魅力があります。また、ゼミ合宿もあり、深く交流するきっかけも与えてくれます。自分が普段使用している日本語のちょっとした疑問を追究していく点で、とてもやりがいを感じます。
  • 私たちの生活に密接な日本語について考えるとこんなにも疑問が絶えず、普段何気なく使用している言葉も大きな研究のテーマになるのだと非常にやりがいを感じています。会話分析をしたり、学生同士で討論を繰り返したりしながら、卒業論文に向けて日々研究を進めています。

過去の卒論タイトル

  • 日本語における主題の省略
  • 自動詞ナルを用いた非変化用法についての研究
  • 非規範的敬語の使用について
  • 「気がつかない方言」の考察-富山県方言を中心に-
  • 慣用表現の意味分析について
  • 曖昧表現「みたいな」の語用論的機能の研究
  • フィクションにおける女性語の研究