英語英文学科

石川 千暁

石川 千暁 (いしかわ ちあき)

プロフィール

石川 千暁愛による癒しについて研究しています。ゾラ・ニール・ハーストン、トニ・モリスン、ベル・フックスといったアフリカ系アメリカ人(黒人)女性作家・理論家を中心に勉強し、目を背けたくなるような痛ましい現実を目の当たりにしながら、希望をーつまり、生きることへの愛をー捨てずにいることはいかにして可能だろうか、というようなことを考えています。その際に参考にしているのが、神の愛を、理解するだけではなく体現しようと努めてきた人々ーーエリザベス・ギルバート、スピノザ、タゴール、神秘主義者たち等ーーの言葉です。この人々は共通して愛を、うつろいやすい好意の感情としてではなく、たえまない信念の実践と捉えており、私の研究および教育活動に多大な影響を与えています。

フェミニストとして特に関心があるのは、性のエネルギーを愛の身体的表現として理論化することです。これまで学問において女性のセクシュアリティはしばしば悲しみや痛みと結び付けて語られてきましたが、個人的には、そのような中でも歓びや癒しがもたらされる可能性にこそ目を向けたいと思っています。

主な著書・論文

  • 「からだであるあなたを愛しなさい、と彼女は言った—トニ・モリスンにおける内的自由の可能性」『ユリイカ 特集 トニ・モリスン』青土社, 51号, 2019年, 174-84.
  • 「身体に根ざしたエロティックな力―ネラ・ラーセン『パッシング』からトニ・モリスン『スーラ』へ」 『読むことのクィア―続・愛の技法』中央大学人文科学研究所編, 中央大学出版部, 2019年, 51-71.
  • “Her Self in the Making: Female Promiscuity in Wallace Thurman’s The Blacker the Berry.” The Journal of the American Literature Society of Japan 15 (2017): 25-42.
  • 「白人ヒロインを物語るということ―Zora Neale HurstonのSeraph on the Suwaneeにおける障害、優生学、正常化」『英米文學』76 号, 2016年, 71-86.
  • “Modernizing Sex: Nella Larsen in the Era of Marriage Reform.” The Journal of the American Literature Society of Japan 10 (2011): 1-18.
  • 「If Beale Street Could Talkにおける生殖セクシュアリティ―語り手の主体性をめぐって」『アメリカ文学研究』45号, 2009年, 77-92.

担当科目

  • 基礎セミナー
  • 米文学 (現代)
  • 米文学 (特論)
  • セミナー
  • 英文講読 (発展)
  • 英語
 ※ 講義内容は次のリンクより、シラバスページにアクセスし、教員名で検索してご確認ください。
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ゼミの紹介

教員から

石川ゼミ写真

The dream is the truth. –Zora Neale Hurston

私たちはなぜ、文学を学ぶのでしょう?

かつて米国には、ヨガの思想に学び、闘うことではなく愛することを通して悲しい現実を乗り越えようとしたゾラ・ニール・ハーストンという黒人女性作家がいました。黒人が二流市民とされ、女性がパートナーに叩かれるのが普通だった時代にあってハーストンは、夢見ることを決して忘れない黒人女性を描いたのでした。あるいはまた、米国黒人として初めてノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスンは、黒人女性たちの置かれてきた絶望的な歴史を真っ直ぐに見つめながら、未来へとつながる希望を描き出しました。実験的な手法を巧みに用いて読者に超越的な感覚を味わわせるモリスンを私たちは天才と呼ぶほかないと思うのですが、数年前に他界した彼女もまた、想像力で見ることのできない天の恵みは、手にすることもできないのだと述べています。つまり人間は、夢見ることによって自分の現実を創り出す生き物なのだと。

だから私たちも、優れた文学作品に倣って、夢を見続けましょう。美について、愛について語りましょう。痛みと親しんで、癒しを迎えましょう。私たちの夢が私たちを創り上げるのですーー輝きと歌に溢れた存在として。そのために有益な、いくつかの言葉、いくつかの視点を学ぶのが、文学部という自由の実践の場なのだと、石川ゼミでは考えます。

学生から

石川ゼミは作品そのものを大事にし、とにかく読み込んでいくところが特徴です。みんなでゆっくり議論していくので、文学が苦手な人でも自然と向き合うことができます。石川先生の授業のおかげで、文学は難しいという考えがなくなり、楽しいと感じられるようになりました。

若い女性が主人公の作品を扱うことが多いのも、石川ゼミの特徴です。文学を通して、自分自身を見つめ、自分らしく生きることの意義について学ぶことができます。石川先生が私たち学生に向ける言葉は、これから社会に出ていく私たちの今後の生き方を変えるぐらい心に響くものです。先生の言葉一つ一つが本当に大好きです!!!!

過去の卒論タイトル

  • ネラ・ラーセン『パッシング』における人種とジェンダー
  • ティッシュの沈黙ーー『ビール・ストリートの恋人たち』におけるジェンダーの力学
  • リンダの強さについてーー『ある奴隷少女に起こった出来事』における正義感
  • Eat, Pray, Loveに見るマインドフルネスの重要性