鈴木 紀子 (すずき のりこ)
プロフィール
アメリカの文化・アメリカ研究が専門分野です。特に、19世紀アメリカ西部フロンティアをめぐる社会的・文化的言説と表象に長年関心を抱いて研究を行ってきました。現在は、元々アメリカで生まれた西部をめぐる言説が、メディアを通して国や時間の境界を越え異文化空間で再生されていく現象を中心に研究しています。最近では特に戦後日米間の政治文化的関係に焦点を当てています。アメリカと日本について、学生のみなさんと多くの議論を重ねることを楽しみにしています。
主な著書・論文
- The Re-Invention of the American West: Women’s Periodicals and Gendered Geography in the Late Nineteenth-Century United States. New York: Edwin Mellen Press, 2009.
- “Japanese Democratization and the Little House Books: The Relation between GHQ and The Long Winter in Japan after WWII.” Children’s Literature Association Quarterly. Vol. 3 No.1, pp. 65-86, Spring 2006.
- 「越境する『西部』―GHQ 日本民主化政策とアメリカ文学―」『冷戦とアメリカ―覇権国家の文化装置』(臨川書店、2014)
担当科目
- 米文学入門1、2
- アメリカ入門
- アメリカの風土と歴史
- アメリカの文化と思想
- 文学と制度(ジェンダー、クラス、マイノリティー)
- 基礎セミナー1、2
- セミナーⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ
- 卒業論文
ゼミの紹介
教員から
このゼミは、アメリカの映画、文学作品、社会現象、時事問題などを取り上げながら、様々な「アメリカ」を考え、そしてアメリカを考えることで今の日本の私たち自身を考えるゼミです。特にこのゼミがテーマにしているのが、【人種・ジェンダー・アイデンティティ】です。アメリカと日本の社会文化を、この三つの視点から深く切り込みます。
ゼミでは、教員があれこれと説明を行いますが、学生のみなさんがそれぞれ独自に感じる意見を尊重したいと思っています。理想的には学生が思ったことをぶつぶつと自由につぶやけるような授業を目指しています。作品の解釈は人により幾通りもあり、その幾通りもの解釈を互いに共有し合うことが文学や文化を学ぶ上でも、また広く「人間」を知る上でも重要だと考えるからです。教員自身、学生のみなさんから学ぶところ大です。
卒業論文については、文学作品や映画に描かれたアフリカ系アメリカ人などマイノリティの人種差別問題、ジェンダーの問題をテーマに挙げる学生が多いです。それ以外の社会学的なテーマを扱うことも自由です。大学生活四年間の集大成と呼べる論文が書けるよう、できる限りサポートしていきたいと思います。
学生から
私たちのゼミでは、アメリカの映画や女性作家の文学作品、社会問題を通して、様々な問題をジェンダーと人種、アイデンティティの視点で捉え、ディスカッションします。作品を解釈するには、時代背景を考察することが不可欠です。グループ発表では、メンバーで作品について調べたり、掘り下げて話し合ったりして、様々な意見を交換して、作品を探求します。とてもやりがいがあります。鈴木先生は、優しくて、私たちがどんな意見を言っても、真剣に聞いてくださるので、とても意見が述べやすいです。卒論に関しても、親身になってくださるので、相談しやすく、アメリカの文化や文学の知識が豊富で、色々な話やアドバイスを聞けます。アメリカを語る先生は熱いです。
3年生と4年生の仲が良く、ゼミ以外でもよく話をします。食事会や合宿はとても盛り上がって楽しいです。
人種やジェンダー、アメリカの文化に興味のある方、また今まで習った授業を生かしたい方におすすめのゼミだと思います。
過去の卒論タイトル
- “You are an American”―映画『グラン・トリノ』に見る構築される「アメリカ人」意識―
- 脱げない呪縛―アメリカ映画に描かれるキャリアウーマンとハイヒールの関係性―
- 常識という抑圧―アメリカ映画にみる規範化された家族観―
- 理想化されたヒーロー―西部劇映画における白人男性主義批判―
- 憧れと嫌悪―「ハーフ」に対する日本人の矛盾する眼差し―
- 傷だらけの怪物ランボー―映画『ランボー』シリーズに見るベトナム戦争に対するアメリカの矛盾する心理―
- Disney映画にみる先住民表象―繰り返されるステレオタイプ―