日本文学科

桜井宏徳

桜井 宏徳 (さくらい ひろのり)

プロフィール

桜井 宏徳

平安時代の仮名文学(物語・日記・和歌など)と、平安時代から江戸時代までの歴史物語を主に研究しています。現在の研究の中心は『栄花物語』ですが、最近は江戸時代の歴史物語『月のゆくへ』『池の藻屑』の注釈にも取り組んでいます。
授業では『栄花物語』のほか、『古今和歌集』『源氏物語』『堤中納言物語』『大鏡』や紀貫之・和泉式部の和歌など、平安時代のさまざまな作品を扱っています。

主な著書・論文

  • 『物語文学としての大鏡』(新典社、2009年)
  • 『王朝歴史物語史の構想と展望』(共編著、新典社、2015年)
  • 『ひらかれる源氏物語』(共編著、勉誠出版、2017年)
  • 『藤原彰子の文化圏と文学世界』(共編著、武蔵野書院、2018年)
  • 『柳井滋の源氏学 平安文学の思想』(編著、武蔵野書院、2019年)
  • 「宇治十帖の中務宮―今上帝の皇子たちの任官をめぐって―」(『中古文学』第93号、2014年5月 第8回中古文学会賞受賞)
  • 「『栄花物語』〈男の心〉考―「男の御心こそなほ憂きものはあれ」―」(『成蹊国文』第52号、2019年3月)
  • 「『大鏡』「日本紀聞くと思すばかりぞかし」考―日本紀講筵と歴史語り―」(『国文論叢』第54号、2019年3月)
  • 「歴史叙述と仮名表記―『愚管抄』から『栄花物語』を考えるための序章―」(『大妻国文』第51号、2020年3月)
  • 「高階成忠と明石の入道―『栄花物語』における『源氏物語』摂取の一断面―」(源氏物語を読む会編『源氏物語〈読み〉の交響Ⅲ』新典社、2020年)

担当科目 (シラバスを参照してください)

  • 全学共通科目
  • 日本文学科中古文学関係科目など
 ※ 講義内容は次のリンクより、シラバスページにアクセスし、教員名で検索してご確認ください。
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ゼミの紹介

教員から

平安時代の文学に関心を持つ皆さんとともに学びながら、卒業論文を書くための指導と助言を行っています。平安文学に関わるものであれば、作品の選択やテーマの設定は自由ですので、ゼミ生の卒業論文もバラエティ豊かで、たとえば、『源氏物語』の作中人物と色彩との関係を紫の上の視点から分析するもの、『古今集』を代表する歌人の一人・凡河内躬恒の和歌表現の特色について論じるもの、『和泉式部日記』における「女」と「宮」の関係を贈答歌から読み解くものなどがあります。
ゼミ発表や卒業論文の執筆に際しては、作品そのものをことばや表現に即して丁寧に読み込むことはもちろん、先行研究をきちんと踏まえることを重視しています。と同時に、私自身の関心に即して皆さんを誘導してしまわないように、つまり、皆さん自身のアイデアをできる限り活かすように、と心がけています。皆さんの自由で柔軟な発想から、私たち教員を驚かせるようなユニークな論文が生まれることを期待しています。

学生から

私たち桜井ゼミでは、平安時代の日記文学や和歌などの作品を、様々なテーマで日々研究しています。私は『源氏物語』における色彩と人間関係を対象にしていますが、一見私にはあまり関係なさそうな研究をしている仲間もいます。しかしゼミ生の数だけ研究内容があり、その中から自分にはない新たな視点や知識を広げられるのを毎週楽しみにしています。
ゼミはそれぞれの中間報告に対し、先生や仲間から助言をもらうというスタイルです。桜井先生は広い心で丁寧に、私たちの意見を尊重しながらアドバイスして下さったり、色々な相談も聞いて下さいます。少人数でまったりとした、まさに平安時代のような雰囲気を感じ、楽しみながら研究をしています。

過去の卒論タイトル

  • 『源氏物語』末摘花論
  • 『源氏物語』の遊戯
  • 『源氏物語』における登場人物生誕の描写
  • 『古今和歌集』と『拾遺和歌集』における祝い歌