日本文学科

高木 元

高木 元 (たかぎ げん)

プロフィール

19世紀における日本の絵入り小説が、どのようにして書かれ、どのように読まれてきたのか、という問題を研究しています。

江戸時代の化政期から明治初期に至る19世紀は、従来は〈古典〉文学と〈近代〉文学とに分けられて整理され理解されてきました。しかし、幕末維新期を切れ目なく継続して見ることに拠り、従来よりはるかに合理的な理解が可能になります。徳川幕藩体制から天皇制帝国主義へと政治体制が変わったからといって、一日にして人々の読書生活が変貌するわけがないからです。

また、「文学」はテキスト(本文)だけではなく、書物(メディア)として理解する必要があります。板本から活字本へ、和装本から洋装本へと変化していく19世紀における小説史を、テキストのみならず書物史とその受容史として展望したいと考えています。

主な著書・論文

  • 「十九世紀における日本の出板文化」(『テキストとイメージを編む』所収、勉誠出版、2015年2月)
  • 「江戸読本の往方 ―巴里に眠る読本たち―」(「読本研究新集」6 、読本研究の会、2014年6月)
  • 「書物のリテラシー ―板本は読めているか-」(「日本文学」、日本文学恊会、2013年4月)
  • 「読本に於ける挿絵の位相」(「國文學 解釈と鑑賞」、ぎょうせい、2010年08月)
  • 「十九世紀の草双紙」(「文学」、岩波書店、2009年11・12月)
  • 「魯文の売文業」(「国文学研究資料館紀要文学研究篇」34、国文学研究資料館、2008年2月)
  • 「鈍亭時代の魯文」(「社会文化科学研究」11、千葉大学大学院社会文化科学研究科、2005年9月)
  • 『怪化百物語』(校注・解説、新日本古典文学大系《明治編》1『開化風俗誌集』、岩波書店、2004年2月)
  • 『山東京山伝奇小説集』(編著、江戸怪異綺想文芸大系、国書刊行会、2003年1月)
  • 「近世後期小説受容史試論 ―明治期の序文集妙文集をめぐって―」(『明治の出版文化』所収、臨川書店、2002年3月)
  • 『江戸読本の研究 ―十九世紀小説様式攷―』(ぺりかん社、1995年10月)
  • 『日本大学総合図書館蔵 馬琴書翰集』(共編校、八木書店、1992年11月)
  • 『中本型読本集』(編著、叢書江戸文庫25、国書刊行会、1988年1月)

担当科目 (シラバスを参照してください)

  • 全学共通科目
  • 日本文学科近世文学関係科目など
 ※ 講義内容は次のリンクより、シラバスページにアクセスし、教員名で検索してご確認ください。
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ゼミの紹介

教員から

杉浦ゼミ写真近世文学(明治初期文学)を研究対象とする卒論を書く人たちのゼミです。

3年から2年間を掛けて、テキストを注釈的に精読するための訓練を積み重ねます。まず、分からない(読めない)という問題点を発見し、その事に関する研究史の把握した上で、問題の解決へ向けた調査研究を積み重ねるという、きわめて基礎的な研究方法を身につけるようにゼミを運営します。そして、最終的には各自の関心に則した研究対象を扱って、卒論へとまとめあげることになります。

ゼミの進行は、多様な関心を持った受講生同士が、各自の問題意識や調査結果を発表し、それに対して質問や意見を出し合うという方法に拠って、多様な問題意識を共有し合う中で、各自のテーマを深めていくという方法を採ります。とりわけ3年生は4年生の取り組みを見ながら議論に参加し、じっくりと研究対象に取り組んで貰いたいと思います。

なお、夏休みの最後にゼミ合宿を実施して、4年生の卒論中間発表を実施する予定です。

学生から

私たち近世文学ゼミは高木先生のご指導のもと、主に『五節供稚童講釈』という江戸時代の草双紙をテキストに、江戸の年中行事を学びながら崩し字の読解に力を入れています。もちろん全員が最初から崩し字を読めたわけではありません。はじめの頃は全然読めなかった学生も毎週自主的に崩し字の翻刻をすることで、今ではスラスラと読めるようになりました。

学生の意思を尊重し、興味のある研究をとことんやらせてくれるゼミです。くずし字練習や発表などは真剣にやりますが、先生もゼミ生も明るく話しやすく、普段から和やかで楽しい雰囲気です。たまに博物館へ出かけて行って現物を確認しながら勉強したりと、フットワークの軽いゼミでもあります。

ゼミ合宿では国文学研究資料館に行ったり、江戸時代に実際に遊ばれていた南総里見八犬伝の双六をするなど、楽しみながら得た知識を研究に繋げています。また新歓や追いコン、食事会などのイベントで仲を深め、少人数でアットホームなゼミになっています。

今年度の卒論テーマ

  • 曲亭馬琴『南総里見八犬伝』について
  • 上田秋成『雨月物語』について
  • 山東京伝『復讐奇談安積沼』について
  • 忠臣蔵もの黄表紙について
  • 心学もの黄表紙について