日本文学科

井原あや

井原 あや (いはら あや)

プロフィール

近・現代の小説や雑誌(文芸雑誌・女性雑誌など)を、フェミニズムやジェンダーの視点を用いて研究しています。たとえば文芸雑誌では、投稿欄や読者欄等を分析し、作家・投稿者・読者と〈文学〉の関係を考察しました。また、女性雑誌では発表された小説と誌面の響き合いを確認する一方で〈ズレ〉にも注目し、社会や誌面が要請する理想と読者の現実を検討しています。教職科目も担当しています。

主な著書・論文

  • 「メディア論―雑誌とアダプテーションからみえるもの」(飯田祐子・小平麻衣子編『ジェンダー×小説 ガイドブック 日本近現代文学の読み方』ひつじ書房、2023年5月)
  • 「〈林芙美子〉を語る―一九六〇年代、田中澄江『うず潮』とメディアのなかの〈林芙美子〉 」(『大妻女子大学紀要—文系—』2023年3月)
  • 「消費されることと捉え返すこと―瀬戸内晴美はどう語られてきたか」(『ユリイカ』2022年3月)
  • 「田村俊子「悪寒」を読む ―その血の滴り落ちるとき」(『日本文学』2021年1月)
  • 「「あけくれ」から「峠」「糸の流れ」へ—『文藝首都』のなかの早船ちよ」(小平麻衣子編『『文藝首都』─公器としての同人誌』翰林書房、2020年1月)
  • 「復刊後の『若草』 ―新人小説と早船ちよ」(小平麻衣子編『文芸雑誌『若草』—私たちは文芸を愛好している』翰林書房 2018年1月)

担当科目 (シラバスを参照してください)

  • 全学共通科目
  • 日本文学科現代文学関係科目など
 ※ 講義内容は次のリンクより、シラバスページにアクセスし、教員名で検索してご確認ください。
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ゼミの紹介

教員から

このゼミでは、近・現代の小説に描き出される社会と文学の繋がりや、文学が社会に投げかけたものについて、ゼミの皆さんが様々な視点を通して検討しています。
ゼミのよいところは2年間時間をかけて〈考えること〉〈書くこと〉に向き合える点です。テーマは違っても、3年生は4年生の発表や取り組み、たとえば調査の仕方や発表資料の作り方、目的の立て方、論の進め方などから卒論とはどういうものか段々と理解していきます。また、4年生は、3年生の発表にアドバイスをしながら自分の論文執筆に向って準備を進めます。
ゼミの時間は、皆さんの興味・関心、そして問題意識を確認しながら助言をしています。ゼミという〈場〉は、3年生と4年生、そして教員が互いに意見を出し合い、〈考えること〉〈書くこと〉に向き合う〈場〉です。こうした大切な〈場〉を皆さんと一緒に楽しみながら育んでいきたいと思います。

学生から

私たち井原ゼミでは、主に太宰治や谷崎潤一郎、伊藤計劃、小川洋子を初めとした近代小説作家や近現代雑誌を取り扱って卒業論文の制作やそれに向けた研究を行っています。

ゼミ内での発表の中で、質疑応答や、助言などを学生同士で行うことで、新たな視点が生まれたり、行き詰った時のヒントを得たりすることもあります。比較的人数が多いゼミなので、様々な意見交換ができてとても良い刺激になります。実際に、「自分に卒業論文が書けるのか」という不安を抱いていた私でも、上級生からの助言や同級生からの質問を通して、「今自分が研究したいことは何か」「どのように研究を進めて行けば良いのか」を理解し、卒業論文に向けて、日々研究に励むことが出来ています。また、井原先生はテーマ決めの段階から沢山相談に乗ってくださり、一人一人に対してしっかりと向き合ってくれるので、私たちも楽しく、そして安心して個々の研究に取り組めています!

過去の卒論タイトル

  • 太宰治 女性独白体小説における「妻」の表象
  • 投稿欄から探る『少女の友』と読者の関係
  • 少女小説とエス ―〈少女〉ジェンダーをめぐって
  • 柳美里『8月の果て』における名の役割 ―名が繋ぐもの―
  • 湊かなえ「夜行観覧車」における現代家族の問題と社会の関わり