文学部英文学科から受験生の皆さんへ

みなさんは英文学科を目指しているわけですから間違いなく、「英語ができるようになりたい」と思っていることでしょう。そのためにはどんなことをしたらよいのでしょうか。以下は英語力を上げるためのヒント集です。ぜひ参考にしてください。

♦ リーディング

みなさんの「英語ができるようになりたい」という願望をもう少し具体的に表現すると、おそらく「英語が話せるようになりたい(会話ができるようになりたい)」ということになるのではないでしょうか。たしかに話せるようになるには話す練習が必要です。しかし話すだけでは会話は成立しません。聞くことが必要です。この聞くことについて見落とされがちなのが「読むこと」です。

英語を聞くときには単語と単語のつながりを「解析」しながら聞き、即座に意味を理解する必要があります。実はリーディングを行うときにやっていることがこの「解析」なのです。リスニングの大部分はリーディングでもあるのです。読めるようになると聞けるようになるわけです。リスニングのためにはリーディングを疎かにしないこと。これが大切です。

リーディングでは基本的には自分の興味に応じて様々な英文を楽しみながら読んでください。特におすすめは以下のものです。

●「週刊ST」

ジャパンタイムズ社が刊行している英語学習者向けの週刊紙です。オンライン版もあります(http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/)。

● VOA Learning English (http://learningenglish.voanews.com/)

● BBC Learning English (http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/)

これら2つは英語学習者向けのニュースサイトです。VOA(Voice of America)がアメリカ、BBCがイギリスのサイトです。記事を読むだけでなく、音声や動画なども多くありますのでリスニングにも適しています。

● Oxford Bookworms Level 1, 2

● Penguin Graded Readers Level 1, 2

これらは英語学習者用に難易度が調整された読み物(本)です。いろいろなジャンルのものがあるので興味に応じて選ぶとよいでしょう。

リーディングを行うには、ある一定の語彙力が必要です。現在の自分の語彙力に不安を感じる場合には、

● 鈴木 陽一 『DUOセレクト 厳選英単語・熟語1600』アイシーピー(¥1,197)

に同時に取り組むとよいでしょう。この本は英検二級・TOEIC550〜620点を目指す人向けとされており、これを一通りこなせば上に挙げた英字新聞や本に取り組む際も比較的楽になることでしょう。この本には別売りで「DUOセレクトCD」(¥2,940)も販売されていますので、耳から学習をすることもできます。

♦ リスニング

英語の音声は日本語とかなり異なった特徴を持っていますから、リーディングで解析能力を訓練することに加えて、実際に英語を聞くということも必要です。(ただし、聞くだけではダメで、必ず読むことを行う必要があります。)現代はテレビ、ラジオ、インターネット等のおかげで、様々なリスニング素材が手に入ります。コツは、聞いて全く理解できないものは避け、7~8割程度理解できるものを聞くことです。以下のようなサイトや番組がおすすめです。使われている英語はどれも英語学習者向けに限られた語彙で構成され、発話スピードもナチュラルスピードより遅くなっています。

● English as a Second Language Podcast
(ESL Podcast) http://www.eslpod.com/website/index_new.html

英語学習者向けに様々な番組が用意されています。

● 「リーディング」の項で触れたVOA Learning EnglishやBBC Learning Englishのウェブサイトもリスニングに役に立ちます。

♦ スピーキング・ライティング

スピーキングやライティングに必要なのはさまざまなフレーズのストックです。英語の表現がストックできると、日本語から訳して英語を話したり書いたりするのではなく、どこかで聞いたような表現を使うことが可能になります。日本語の表現をそのまま英語にしてしまうと、非常にぎこちなく不自然な英語になってしまいます。フレーズのストックを構築するために重要なことは、「リーディング」と「リスニング」の項で書いたことを地道に実行していくことです。

スピーキングでは実際に口を動かすということが大切になってきます。そのために、リーディングを行うときに音読を行ったり、リスニングの際に自分でもどんどん声に出して英語を発音してみることです。聞こえた英語を聞きながら少し遅れながらどんどん発音していく「シャドーイング」も効果的です。

以上、いろいろと書きました。最後に英語学習で何よりも大切なことを伝えて終わりにします。「続ける」。これが一番大切です。少しでもいいですから、毎日英語を読み、書き、聞き、そして口にしましょう。