昨今、学習目的の達成度を判断するため、<ルーブリック>が用いられます。<ルーブリック>は、<評価の基準>と<基準の尺度>から構成される評価ツールです。コンテストでは、審査の公平性と客観性を図るため、全審査員が<ルーブリック>を共有しました。
<評価の基準>は、5つ設定しました。このうち、関係性と独創性は、このコンテストの関門です。文法性は、応募作品の必須条件です。2種類の修辞性は、上位作品の差別化を図るのが目的です。
通例、<基準の尺度>は、基準ごとに詳細に文章化されます。しかし、本企画においては、膨大な数の作品を短時間で処理することが求められます。したがって、簡素な3段階指標を導入しました。
基準 | 内容 | 全く満足していない | ある程度満足している | 十分に満足している | 最高点数 |
Ⅰ 関係性 | 既存のことわざを踏まえている。作品を見ただけで、既存のことわざが髣髴とする。 | 0 | 1 | 2 | 2 |
Ⅱ 独創性 | 独創的な視点を有している。斬新な切り口で、現代の諸相を活写している。 | 0 | 1 | 2 | 2 |
Ⅲ 文法性 | 英語の文法規則を遵守している。英語として破綻のない、有意味な表現になっている。 | 0 | 1 | 2 | 2 |
Ⅳ テクスト内修辞性 | 再生ことわざの内部において、語彙(意味・音声)や構文に関し、修辞的工夫が凝らされている。 | 0 | 1 | 2 | 2 |
Ⅴ テクスト間修辞性 | 現行のことわざと再生ことわざとの間において、語彙(意味・音声)や構文に関し、修辞的工夫が凝らされている。 | 0 | 1 | 2 | 2 |
合計 | 10 |
たとえば、現行のことわざhaste makes waste に基づいて作られた<再生ことわざ> taste makes waist は、上記すべての条件を十分に満足すると考えられるので、合計点数は最高点の10点になります。学科内の複数の教員が審査に参画しました。