掲載方針

コンテストには、4年間を通して、総計1300編以上の作品が投稿されました。作品の質は、年々、向上していきました。その背景には、選評、優秀賞・入賞の作品、母語話者の講評が、制作上のひな型になったことが考えられます。

コンテストを開催した当初、作品には初歩的な間違いが目立ちました。たとえば、<脚韻>という用語を誤解して使用する例が多くありました。しかし、次第に、誤りが少なくなり、また、それを巧みに活用した作品が増えていきました。

この報告書には、約900編(全投稿作品の約70%)を収載しています。掲載の方針は、以下の通りです。

  1. 投稿作品は、年度ごとに取りまとめる。
  2. 投稿作品は、既存のことわざのアルファベット順に配列する。
  3. 投稿作品が依拠した既存のことわざに変異形がある場合、1か所に集約する。
  4. 語頭が大文字ではない作品、ピリオドがない作品は、適宜調整する。

とりわけ(3)に関しては、編集上腐心しました。ことわざは、同じ意味でありながら、異なる形式を有する場合が、しばしば見受けられます。日本語で、「ピンキリ」と「ピンからキリまで」を使うのがそれにあたります。英語では、冠詞の有無、名詞の単数複数、類義語による語彙の交替、語彙の省略、構文の相違です。それらは、独立した別個のことわざではなく、同一のことわざの変異形と見なすことができます。それらを掲載する場合、同じ箇所に、典型的なことわざの例を筆頭に、複数の変異形を列挙しました。その個所に、それらのことわざに依拠した投稿作品すべてを集約しました。この資料によって、ことわざが唯一の形式を持つ表現ではなく、多様性があることが明らかになります。

ただし、掲載から除外した作品もあります。そのほとんどが、募集要項に示した条件に違反した場合で、具体的には次のようなものです。

  1. 投稿者が「作品が公表されることを承認する」のボタンを押していない場合。
  2. 投稿者が「同一の作品が使われていないかを確認した」のボタンを押していない場合。
  3. 投稿者が同一年度に複数の作品を提出した場合。
  4. 投稿作品と同じ作品が検出された場合。
  5. 投稿作品と既存のことわざとの間に関連性が見いだせない場合。
  6. 投稿作品が英語の表現として著しく破格である場合。